子供たちはいよいよ本読みが本格的にスタートしました。
使っている教材はイギリスの公立小学校で使われている
フォニックスオックスフォードツリーという本です。
この本のいいところは、多読できるところです。
レベルが1-9まであり
レベルごとに40冊前後の本が用意されてます。
例えば・・・レベル2の生徒が同じレベルの違うストーリーを
40回も読むことができます。
このレベルで出てくる単語の使い方や表現を40通り読むことができるのは
日ごろから英語に触れる環境にない日本人には
すごく良い環境です。
しかも、今のこのレベルで読める本というのを40冊探すだけでも一苦労です。
レベルが下がれば下がるほど
その本の種類が限られてきて
なかなか見つけられません。
レベルが上がっていけば、普通の本でいいのです。
例えばハリーポッターの本などはすぐに手に入ります・・・。
レベルが上がると本を探す苦労はいりません。
大変なのは読める語彙が少ないときに
どうやって本読みをさせるか・・・
その本を探すのが一苦労なのです。
せっかくフォニックスで、文字を読む練習をしているのなら
その成果を本読みで試してみたいというのは当然の欲求です。
現に、フォニックスを始めて
英語の文字を読もうとするようになったという
お母さんたちの声をよく聞きます。
その欲求を、文字が読めるだけでなく
意味も伴った文章を読むことで満たせてあげたい。
どうせなら
実になるものを読ませたい。。
しかもたくさん読ませて自信をつけさせたい。
本を読めるのだという自信は
これからの英語のあらゆる能力に
大きな影響を与えます。
その恩恵を受けてほしい。
これが今回の私の思惑です。笑
そして、この目的を果たすのに
このオックスフォードの多読本は最適です。
実はこの今使ってるオックスフォードツリーの本は
イギリスの小学校でも副教材として使われていて
生徒たちは毎日この本を読むことが
先生より義務付けられてます。笑
イギリスでは人種が多様化していて
教室の中にネイティブが半分しかいないというのは
珍しいことではありません。
そんな彼らがイギリスでネイティブと同じように英語を学ぶために
考えられたのがフォニックス
それを定着させるために使われているのが
多読用の本、オックスフォードツリーなのです。
つまり、英語が母国語ではない彼らが英語を習得するために
考えられたシステムを本校でも採用してます。
イギリスの小学校が使い続けているのには
それなりの訳があり
それなりの成果が出てるからです。
この本は毎日読みます。
一日3回。
声に出して読みます。
絵を見て何を言ってるのか
考えてみます。
先日渡した本の中で
ある表現がありました。
Children were cross.
Children were grumpy.
Children were unhappy.
これ、よく使われてる表現で特にCrossは
習うことがないかもしれない単語ですが
イギリスでは一般的によく使われる表現です。。
クロスは普通に十字の意味ですが
イギリスではこれを使うと
怒っていると意味になります。
I am cross! 私、怒ってるの。
grumpy も機嫌が悪いという意味で
unhappyも似たような言葉。。。
本を渡したAちゃんはこの単語を全部知らないはずですが。。。
絵の子供たちが怒ってるので
これが怒るという意味を持つことを
自然と理解してました。
このオックスフォードのリーディングツリーは
そういうイギリスの生活に密着し
イギリスで使われてる言葉をそのまま本にしてます。。
しかも、何度も違った場面や、違う本で同じような表現を繰り返すため
英語がわからなくとも自然に使い方を理解しやすくなってます。
このCrossの単語が出ているのはレベル2の初めのころの本です。
つまり残り300冊を読み終える頃には
きっと沢山の表現と語彙力を身に着けることになるのは
安易に予想が着きますね。。
本を読ませる最大の目的は
英語の使い方を認知すること。
この英語を
聞いたことがある
知っている
この状態に、文法を経由せずに持っていくためです。
この状態は英語を勉強する上で
とても助けになります。
そして、もう一つは英語の読み方、話し方を知ること。
前回渡した小学2年生の本に
Who is this?
This is Kipper.
という表現がありました。
この表現自体、よく知られてる表現で
何も感じないと思います。
でも・・・
この表現には読み方があるのです。
This is Kipper の ISに力を入れて読みます。
このことを2年生の生徒さんは本読みで勉強してくれました。
文章の一番強く読むところ。
これを英語でStressと言います。
正しく発音することも
確かに重要なのですが
それ以上に大切なのが、このストレス(強く読む部分)です。
日本ではアクセントと言いますよね。
このストレス・・実は読む場所を間違えると文章によっては
全く違う意味になってしまいます。
この勉強は今、大人の準1級以上レベルの授業でも
先日取り扱いました。
ストレスの位置で意味、置かれてる状況などが全然違うという表現を。。
簡単な表現でも
難しい表現でも
ストレスは大事であり、海外生活を経験されてる生徒さんでも
慣れてないと苦労する表現で、
実際にしてました。。
しかし
小さいころからこのストレスの表現部分を状況や絵から判断しつつ
正確に読むことができたら
きっと全く問題さえ感じない表現になるのです。。
本読みと英語を話すことを離して考える方が多いですが
日本語も同じように
本で知る表現というのは
会話で決して役に立たないようなものではなく
むしろ、きちんとやれば
これ以上ない会話の基礎に成り得るということなのです。
今は読む量が少なくとも
いづれもっと読んでいけるようになります。
基礎の今の時期に
どこをどう強く読むのか・・
そこまで踏み込んで
本読みの練習をしていきます。
最近気づいたのは
結構な確率でフォニックスがほかの教室でも教えられてること。
このこと自体は私はいいことだと思うのですが。。。
でも、正直「流行りもの」として
ただ教えてるというのも多いようです。
つまり
フォニックスを教える側が
何故フォニックスを教える必要があるのかを
理解しない状態のままで教えられてることです。
先月立て続けに
「フォニックスは
前の英語スクールでもやったけど
身についてません」という生徒さんのお母さんと話す機会がありました。
無料体験に来たお子さんたちに
どの程度定着してるか
チェックしてみると
お母様たちの言う通り、ほぼ定着してませんでした。
つまり読めてないことがほとんどです。
よく聞くと・・・全員口を揃えたように
ABCDとアバカダと読むところまではやった。。
というのです。。
ABCDはアバカダと読むというのは
所謂、スポーツで言う、準備体操段階で・・
まだスポーツには行きついてない状態です。
もちろん、軽視していいところではないですし
ここがわからないと他のフォニックスは全滅します。
とはいえ、これだけでもあまり効果はなく
読める文字が限られてしまいます。
これを組み合わせて読む
これを組み合わせたときの音の例外を知る
読まない音
そのまま覚えるべき文字
色々なルールを学んで
初めてフォニックスです。
ABCDを習って英語を習ったというのが無理があるように
ABCDを習ってフォニックスを習ったの言うのもまた
無理があるというわけです。
こんな習い方をされたせいか、
フォニックスと聞くと拒否反応を示す親御さんが多くいらっしゃってて。。
トラウマのように「あれは時間の無駄だった」と思っているかのようでした・・
もちろん、すぐに理解してくださるお母様方もいらっしゃりますが
殆んどの方はそのまま戻ってきません。失笑
きっと「きちんと教えてくれない」と思ったのかもですね。。
きちんと英語を教えてほしい。
その「きちんと」は
英会話教室に通わせている親御さんなら
だれでも願うことです。
そして、その「きちんと」の基準はその方によって様々です。
「きちんと」・・・これが
文法をきちんと勉強することなのだと思う方がいらっしゃるのは
よく理解できてるつもりです。
今まで私たちはそう習ってきたし
それなりの成果を上げてる人がいることを
否定するつもりもない・・・
しかも、受験のことを考えると
無視できる内容ではないと思ってしまう・・・。
そのことは十分承知しています。
なので、「きちんと」の意味が
そこに焦点を当ててるのなら・・・
わが校は不本意ですが
来るべき英会話教室ではないかもしれません。
なぜなら
私たちの「きちんと」は
「きちんと英語を教える」ことに
趣を置いるからです。
私たちが目指すのは
点を取らせる指導ではなく
英語をトータルに習得できるように指導すること。
つまり、聞けて話せて書けて読めて・・・というところに
焦点を当てています。
もちろん、文法を教えない訳ではないし、
本校のやり方で受験の英語ができなくなることはないんですが
文法よりほかのことに焦点を当ててるのは事実です。
文法一択の教え方で英語の全技能を教えるのは不可能だから
文法を含めた多方面から刺激を与えて英語をきちんと習得できる状態を
目指しています。
そこに学ぶ楽しさや達成感なんかもあると
更にいいな。。ということも
気にかけているところです。
英語だけでなく何でもそうなのですが
毎日の積み重ねがいつか
実力になります。
そして、どう毎日積み重ねるかによって
結果が大きく違ってきます。
まだ、本読みを始めたばかりですが
もう、お母様やお父様方は
少し気づかれたはずです。
今までの英語の勉強の仕方と違うんだな・・って・・・。
以前の教室で、文法の勉強の宿題が毎日あったのと比べれば
なおのこと違うかもしれませんね。
基本、英語を詰め込む・・ということはしないつもりはないです。
難しすぎると英語が嫌いになったら本末転倒なので。
かといって、楽しさを追求するあまり
ゲームばかりの授業はしません。
私たちが目指す成果は出ないので。
だから、できること(本読み)を何度もしつつ
上達しつつ、達成感も得る
そして自信に繋げる作業をしたいのです。
本当の意味で楽しんで学ぶためには
学びの中にある多少のチャレンジに取り組み
できたという気持ちがないと
達成感を感じられないし
達成感を感じなければ楽しくないですよね。
そして、その連続が自信につながっていく。
だから、この自信をつけさせるために数分でいいのです。
お母様と子供さんの時間を割いてください。
お互いにゆっくりできる時間に3回・・本読みしてください。
義務というより、せっかくなので楽しんでください。
「何が書いてるんだろうね?」とか
「この人誰?」とか
「この人何してるの?」とか
日本語でいいので絵本についての質問をしてみてください。
そうすると子供たちも
お母様やお父様の興味を持つものを
教えてあげようと
理解しようとします。
この本読みをただの本読みに終わらせず
コミュニケーションの場
そして、意欲や達成感の持てる物にしてください。
自分の親が関心を示していることに
子供というのは敏感に反応します。
なので、私からのお母様やお父様にお願いする仕事は
読んでるお子さんたちを励ますために
なるべく聞いてあげてください。
そして、子供たちが読んでる本に対して質問をしてみてください。
ちゃんと読めたときは褒めてあげてください。
「すごいね!」「頑張ったね」その一言で
また次に読もうと思ってくれると思います。
そして、これが
本読みの上達速度、それから英語の上達速度に直結します。
週に1ー2回教える私たちの影響力はたかが知れてます。
毎日家族の影響力のほうがはるかに大きいです。
英語は毎日触れることが重要です。
ご家庭とB&H英会話教室
一緒にお子さんの本読みをサポートできると嬉しいです。
【本読みのポイント】
生徒が毎日3回声に出して読む。
生徒が音読の時の強弱(ストレス)を真似する。
お父さんかお母さんが一緒に聞いてあげる。
お父さんやお母さんが本に対する質問をしてみる。
お父さんやお母さんが読み終わったら褒めてあげる。
下のビデオは本読みを開始して数回経った状態です。
これを繰り返すとどう成長するのか・・
見守っていきたいと思います。。
また成長の過程をアップしようと思ってます。
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